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“音マニアが本気で作った”ゲーミングイヤフォン「GEEK」クラファン開始
2025年6月6日 14:37
ベタベタは、Initial AとゲーミングデバイスブランドのALLONE(アローン)による共同開発イヤフォンの第1弾「GEEK(ギーク)」のクラウドファンディングをCAMPFIREで開始した。9月下旬の発売に向けて、先行予約販売を開始している。通常価格は9,900円の予定だが、40% OFFの5,940円で購入できる超早割(50個限定)や、2個セット、ケーブル単品などのプランも用意している。詳細はクラウドファンディングページを参照のこと。
次世代ゲーミングイヤフォンGEEKクラウドファンディングページ
音好きコミュニティ「#オトモノ」の内で、「ゲーム用イヤフォンは定位はいいけど音楽が楽しめない」「音が良いイヤフォンはゲームで遅延や違和感がある」という話題がキッカケで生まれたというイヤフォン。
「じゃあ、自分たちで作ろう。」という動きに、ゲーミングブランドのALLONEも共鳴。開発の監修に、オーディオ評論家・野村ケンジ氏も加わり、2年半にわたるプロジェクトがスタート。そして生まれたのが「GEEK」となる。
なお、今回の第1弾モデルは、初期ロットかつ試作に近い「プロトタイプ版」とのこと。「支援者の声をもとにさらなる改良を重ね、第2弾としてALLONEオリジナルブランドで普及型モデルの開発・量産も進めていく予定」という。
「定位が明瞭で、音の輪郭がくっきりしていて、でも聴き疲れしない」サウンドを目指して開発。ドライバー構成・チューニング・装着感すべてにこだわったという。
ユニットは10mmダイナミックドライバーとバランスドアーマチュア型のハイブリッド構成。解像度と厚みを両立したナチュラルな音質設計でありつつ、定位感も明瞭でFPSに最適なサウンドになったという。
さらに、着脱式ブームマイクも同梱。ケーブルには物理ミュートボタンを備える。これにより、配信、ボイスチャット、リモート会議まで対応できる。
音質にも配慮したケーブルを採用し、MMCX端子でイヤフォンの着脱も可能。
ケーブルは耳掛けが可能。イヤフォン自体の形状も耳に沿う筐体設計にする事で、長時間でも疲れにくい快適な装着感を実現。イヤーピースはラウンド型とオーバル型の2種類の同梱。
さらに、ストレッチゴールでラテックス素材のイヤーピースの追加も予定。詳細はプロジェクト中に発表する予定。
インピーダンスは16Ω±15%。出力音圧レベルは95±3dB@1KHz。周波数帯域は20Hz~20kHz。ケーブル長は1.5m(イヤフォン部)、0.5m(PC用延長ケーブル)。プラグは3.5mmジャック。ケーブル含めた重量は約29g。
勝てる音”であることが最優先されるゲーミングイヤフォンは、定位や音のキレに優れたサウンドを持ち合わせているものの、こと“音楽を楽しむ”ことにおいてはやや不向きな傾向がありました。音色の自然さや素直なメリハリ表現、臨場感の高さなど、リスニング用イヤフォンが求められる音づくりのポイントが、後回しにされているように思えてならなかったのです。
こういった状況を解決し、ゲームも音楽も楽しめるイヤフォンを作ろうという思いからこのプロジェクトがスタート。2年半もの紆余曲折ののち、ゲームだけでなく音楽リスニングも存分に楽しめるイヤフォンが完成しました。
ダイナミック型+BA型というハイブリッド・ドライバー構成が生み出すサウンドは、のびやかなれど鋭すぎない高域や、距離が近く実体感のあるリアルな歌声、フォーカスがよく迫力も満点な低域などが特徴。おかげで、シンガーそれぞれの特徴がしっかりと伝わってくるクリアな、それでいて心地よい響きの歌声が楽しめます。いっぽう、低域表現も優秀で、締まりのよさのおかげで落ち着きのある、それでいて臨場感溢れる迫力のサウンドが楽しめます。
音場の広さなどから、音楽だけでなく映像コンテンツ、ライブ映像やアクション映画などにもマッチしてくれます。
もうひとつ、結果的にかなりの秀逸さを得られたのが着脱式ケーブルに付属するブームマイクです。最新モデルのTWS(完全ワイヤレスイヤフォン)などでは、ビームフォーミングマイクなどデジタル処理を活用したシステムによって随分と音質を向上させていますが、物理的に口元に近いブームマイクのアドバンテージはいまだに健在、明瞭で聞き取りやすい声を相手に伝えてくれます。そのため、ゲーム時の会話はもちろんテレワーク用など幅広い活用ができると思います。
ちなみに、ブームマイクはケーブルから着脱できる構造となっているので、マイクが不要なシーンでは取り外すことができるのも嬉しいポイントです。
このように、Geekはゲーミングイヤフォンとしての実力はもちろん、音楽リスニングや映像コンテンツ用としても活躍できる懐の深い製品に仕上がっています。特に、この価格でこの音質はかなりのハイコスパだと思いますので、この機会を逃さず、大いに楽しんで貰えたらと思います。
一般的に、ゲーミングイヤフォンは、敵の位置を音で聞き取ったり、小さな足音にも気がつくように、微細な音を際立たせるような、音の輪郭のエッジを強調したような音の製品が多い。ゲーム用途としてはマッチするが、音楽をリラックスして楽しむ場合にはマッチしない事もある。
GEEKを聴くと、まず解像度の高さが印象的だ。BAユニットによる高域描写は微細で、ダイアナ・クラールのような女性ボーカルを聴くと、歌声だけでなく、歌い出す直前の「スッ」と息を吸い込む微かな音まで聴き取れる。これは、ゲームで敵の小さな物音を聞き取る際にも有利な性能だ。
GEEKが優れていると感じるのは、微細な音を描写しながら、音の輪郭に過度な強調感が無い事。そのため、不自然な音になっておらず、確かにゲームから音楽まで楽しめる音という開発コンセプトの通りだと感じる。
また、10mmダイナミックドライバーを組み合わせる事で、豊かな中低域が、音楽を下支えしてくれるため、全体のバランスも良好。ゲーミングイヤフォンによくある、腰高で神経質な音になっていない。アコースティックベースが登場するジャズを聴いても、ベースの豊かな響きをしっかり肉厚に描写するため、音楽を楽しむイヤフォンとして満足度が高い。
同時に、しっかりとした中低域を描写しながら、そこにバランスドアーマチュアの高域が埋もれず、クリアさを維持している。このあたりの音作りの上手さが、GEEKの特徴と言えるだろう。
また着脱式のマイクを備えているため、口元でユーザーの声を集音してくれ、リモコン内蔵マイクと比べて安心感もある。MMCXで、ケーブルからイヤフォンを着脱できるゲーミングイヤフォンというのも珍しいが、マイクを使わない時は、ユーザーが用意した別のケーブルを使うなど、用途の幅も広がるだろう。
また、ハイブリッド方式のイヤフォンに、これらの機能や付属品を揃えつつ、通常予定価格9,900円、クラウドファンディングではより低価格なプランも用意するという、コストパフォーマンスの高さも魅力と感じた。